痩せ菌を増やすには食生活を変えれば良いというけど、痩せ菌を増やす食べ物って具体的に何なの?と思っていませんか?
人間の身体の中に住んでいる腸内細菌たちは、食べ物をエサとして増減を繰り返します。
善玉菌好みの食べ物を積極的に食べれば善玉菌が増え、悪玉菌好みの食べ物を知らず知らずのうちにたくさん摂取すると、悪玉菌が増えます。
この記事では、身体が痩せやすくなる「痩せ菌」を増やす食べ物を積極的に取り入れ、効率のよいダイエットを成功させる方法を紹介しています。
痩せ菌を増やして、ラクして痩せるダイエットに挑戦してみましょう。
痩せ菌を増やす食べ物:その1【食物繊維】
痩せ菌を増やす食べ物のひとつは、食物繊維が含まれる食材です。食物繊維の特徴と、代表的な食べ物を紹介します。
食物繊維の特徴
食物繊維は消化されにくく、腸内に長く留まることで善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを保つ手助けをします。
水溶性食物繊維は、水に溶けることでゲル状になり、腸内をゆっくり移動するため、満腹感を持続させます。
さらに、血糖値の急上昇を防ぐ役割も果たし、食後のインスリン分泌を抑制。これにより、脂肪の蓄積を防ぎ、痩せやすい体質作りをサポートします。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨張し、便の量を増やすことで腸の動きを活発にします。
これにより、便通を改善し、腸内の老廃物を速やかに排出することができます。
食物繊維の種類
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。
文部科学省による、代表的な食べ物における2種類の割合を見てみましょう。食べ物100gに対しての含有量です。
このように、ほとんどの食材は水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維の方が多く含まれています。
水溶性と不溶性のちょうど良いバランスは、もともとが1:2といわれているため(諸説あり)、穀物と野菜と海藻類をしっかり食べていれば、食物繊維のバランスも自然ととれるのではないでしょうか?
痩せ菌を増やすために食べるべき食物繊維の代表例
具体的に、痩せ菌を増やす食べ物【食物繊維編】は以下のとおりです。
食物繊維の摂取目標量は、1日あたり成人男性20g以上/成人女性18g以上です(厚生労働省)。
食べ物でじゅうぶんな食物繊維を摂取できない場合は、おやつにドライフルーツやアーモンドを食べたり、食物繊維のサプリメントを上手に利用したりするのがおすすめです。
痩せ菌を増やす食べ物:その2【発酵食品】
痩せ菌を増やす食べ物のひとつに、発酵食品があります。発酵食品の特徴と代表的な食べ物を紹介します。
発酵食品の特徴
発酵食品は、微生物の働きによって原材料が発酵され、栄養価や風味が増す食品です。
発酵食品には、腸内に住む善玉菌の働きを活性化させ、痩せ菌のバランスを整える効果があります。
善玉菌が増えることで痩せ菌が働きやすくなり、糖質の吸収や脂肪の蓄積を抑制します。
また、発酵食品を積極的に取り入れると腸内環境が整い、老廃物が身体の外に排泄されやすくなります。
発酵食品に含まれる菌の種類
発酵食品に含まれる菌の種類は、おもに以下の5つです。
これらの菌は、食べるだけでは腸内に定着しません。
しかし、腸内にとどまっている間に善玉菌と似た働きをし、痩せ菌である日和見菌が善玉菌のサポートをしやすい環境になります。
発酵食品を習慣的に摂取することで、痩せやすい腸内環境を維持することができます。
痩せ菌を増やすために食べるべき発酵食品の代表例
痩せ菌を増やす食べ物【発酵食品編】の具体例は、以下のとおりです。
発酵食品は、普段の食事で簡単に摂ることができます。
朝食のヨーグルトや入浴後の乳酸菌飲料をルーティンにしたり、漬物や納豆を冷蔵庫に常備したり、簡単にできそうなことから始めてみましょう。
痩せ菌を増やす食べ物:その3【レジスタントスターチ】
痩せ菌を増やすためのおすすめの食べ物は、レジスタントスターチが含まれる食品です。レジスタントスターチの特徴と代表的な食べ物を紹介します。
レジスタントスターチの特徴
レジスタントスターチは、消化されにくいでんぷんの一種です。
でんぷん(糖質)ではあるものの、胃や小腸で消化されず大腸まで到達して発酵されるため、腸内環境を整えるのに非常に役立ちます。
また、血糖の上昇を抑える働きをする点も、レジスタントスターチの特徴です。
インスリンの分泌がゆるやかになることで脂肪の蓄積を防ぎ、痩せやすい体質づくりに役立ちます。
痩せ菌を増やすために食べるべきレジスタントスターチの代表例
痩せ菌を増やす食べ物【レジスタントスターチ編】の具体例は、以下のとおりです。
パスタやご飯は、冷やしたほうがレジスタントスターチを効率よく摂取できます。
冷製パスタやパスタサラダ、おにぎり、冷茶漬けなど、おいしく食べる方法を探してみましょう。
主食になるものが多いので、食物繊維よりも簡単に取り入れられるのではないでしょうか。
そもそもヤセ菌とデブ菌って?
瘦せやすい体質をつくる「痩せ菌」と太りやすい体質の原因となる「デブ菌」について、詳しく解説します。
増えると痩せやすくなる「ヤセ菌」の正体
痩せ菌とは、肥満をコントロールする短鎖脂肪酸という有機酸をつくる腸内細菌のことをいいます。
具体的には、「バクテロイデーテス門」の通称バクテロイデス、「ブラウティア属」の通称ブラウティアなどが該当します。
これらの菌は、糖質の吸収や脂肪の蓄積を防ぎ、食欲をコントロールする働きを持っています。
増えると太りやすくなる「デブ菌」の正体
デブ菌とは、糖質の吸収や脂肪の蓄積をうながす腸内細菌です。
具体的には、「ファーミキューテス門」の細菌が該当します。
痩せ菌と同じようにデブ菌も日和見菌の種類ですが、悪玉菌の味方になりやすいのが特徴。
また、食べ物から必要以上に栄養分を吸収して蓄積する性質があるため、肥満の人はファーミキューテスが多いとされています。
ヤセ菌が増えると本当に痩せるのか
痩せ菌が増えることで自動的に痩せることはできませんが、痩せやすい身体になるのは事実です。
具体的には、アメリカワシントン大学や東京農工大の研究チームが、短鎖脂肪酸や痩せ菌(バクテロイデス)と肥満改善の関係について、研究結果を発表しています。
アメリカワシントン大学の実験では、無菌のマウスに痩せている人の腸内フローラ(腸内細菌の集合体)と太っている腸内フローラを移植し、35日後に太っている人の腸内フローラを持つマウスだけが肥満になったというデータが出ました。
参考:NHKスペシャル
痩せ菌を増やす食べ物を効率的に摂る方法
痩せ菌を増やす食べ物を効率的に摂取する食事方法を、わかりやすく紹介します。
ご飯と汁物とおかずがBest
一番良いのは、ご飯+汁物を基本とした和食です。
なぜなら、そのセットさえ決めてしまえばあとは好きなおかずを1~2品プラスするだけで1食が整うからです。
おすすめの方法は、以下のとおりです。
自宅で米を食べる習慣がある人は、雑穀米の素を追加して炊飯するのがおすすめ。
白米が雑穀米に変わるだけで、食物繊維の摂取量が増えます。
また、事前にオクラやイモ類、きのこ、海藻などの食材をレンチンしておき、インスタント味噌汁にプラスするだけで手軽に食物繊維を摂取できます。
発酵食品を1日1品食べるのもよいでしょう。
腸内環境を整える乳製品やおやつを習慣にする
食事だけで痩せ菌を増やすのが難しい場合は、ヨーグルトや乳酸菌飲料を朝夕のルーティンにし、おやつとしてドライフルーツやシリアルバーを常備するのがおすすめです。
この方法は、発酵食品や食物繊維をラクに摂取でき、続けやすいのがメリット。
苦手な食べ物が多い人でも、乳製品や果物なら抵抗が少ないのではないでしょうか。
難しいレシピの食事はおすすめしない
痩せ菌を増やす食べ物を摂取する際のポイントは、一時だけではなく長く続けることです。
食べ物は毎日のように腸に送られて排泄されていくため、痩せ菌を増やす食べ物が腸にとどまっていられる期間は短いからです。
腸によい食事のレシピなどを参考に腸活を始めるのもよいですが、続けられなければ意味がありません。
お金や手間がかかる食事はほどほどにし、負担にならない程度の食事を続けましょう。
まとめ
痩せ菌を増やす食べ物を摂取するのは、決して難しいことではありません。
ただし、一時的に痩せ菌を増やしても、腸内細菌はその数をキープすることはできません。
腸内細菌の種類と数をコントロールするためには、宿主である人間が細菌のエサとなる食べ物を工夫して摂取するのが重要です。
食物繊維やレジスタントスターチを含む食べ物を意識して食事に取り入れ、善玉菌を増やす発酵食品を積極的に食べましょう。
そうすることで痩せ菌が増え、痩せやすい体質を手に入れることができます。