腸内環境がすべてを決める!わたしたちの健康と美容

基礎知識
この記事は約10分で読めます。

腸内環境を整えることが話題になっているけど、腸内環境を改善することの何がいいの?……と思っていませんか?

腸は、人間が生きていく上でなくてはならない器官です。

なぜなら、人は毎日食事をして毎日排泄をしているから。

この記事では、腸内環境と健康の関係腸内環境を整えるポイントを、腸育コンシェルジュが解説します。

日々の健康と美容のために、腸内環境改善に取り組んでみましょう。

※当サイトの記事には一部広告を使用しています。
スポンサーリンク

腸とは

腸の中

腸の種類と腸内フローラについて、簡単に解説します。

小腸の役割

小腸は、長さにして約3m表面積はテニスコート1~2面分と言われています。

小腸の中でも臓器は3つに分かれていて、胃に一番近いのが十二指腸(大人の指12本分くらいの幅があるから十二指腸。有名ですね!)、その他が空腸と回腸になります。

小腸の仕事は、食道と胃を通過してきた食べ物を消化吸収することです。

食べ物はすべて胃で消化されると考えられがちですが、実はそうではありません。

大腸の役割

大腸の長さは、約1.5~1.6mほど太さが直径5~7cmなので、どちらかといえば「太く短い」腸です。

大腸も細かく分かれていて、横行結腸・上行結腸・下行結腸とS字状結腸があります。腸に住み着いている細菌、いわゆる「腸内細菌」も大腸に一番多く存在しています。

大腸の主な仕事は、小腸で消化吸収されなかった残り物の面倒を見ること。つまり、食べカスや腸壁がはがれたものなどをまとめて便を作るのです。

便秘体質だったりお腹を下しやすかったりといった人は、大腸の働きが鈍っていると見てよいでしょう。

その他の腸

小腸と大腸の他にも、盲腸直腸があります。

盲腸から伸びる虫垂は、免疫細胞の産生に非常な重要な役割を担っていますし、直腸には、便を一旦ためておいてちょうど良い量の時に便意サインを出すという仕事があります。

腸にあるどの臓器も、なくてはならないです。

腸にあるすべての器官がバランスよく働いてくれることで、身体に必要な栄養や免疫がつくられます。逆に、いらないものを外に出すのも腸の役目です。

腸内フローラとは

腸内フローラとは、腸内に生息する数百種類にも及ぶ細菌の集合体のことを指します。

この細菌群は、腸の壁面にびっしりと広がっており、その様子がまるで花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

腸内フローラは、善玉菌、悪玉菌、中間菌といった多様な種類の細菌で構成されており、これらがバランスよく存在していることが、腸内環境の健康状態を左右します。

スポンサーリンク

善玉菌と悪玉菌のバランス

腸内細菌の分布イラスト

腸内細菌は、大きく分けると「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つのグループに分かれます。この3種類の菌の特徴とバランスについて解説します。

善玉菌は腸内に2割必要

おなじみ、善玉菌は腸内環境の改善と維持に努める頑張り屋さんです。

代表として、乳酸菌やビフィズス菌が挙げられます。

善玉菌の主な仕事
  • 乳酸や酢酸などの有機酸をつくる
  • 病原菌の活動を抑える
  • 腐敗菌の増殖を防ぐ
  • 腸のバリア機能を高める
  • 身体の老化を防ぐ

健康と美容に欠かせない善玉菌は、腸内に2割以上いると良しとされています。

悪玉菌は腸内の1割にとどめるのがベスト

悪玉菌は、名前からして身体に悪さばかりしそうなイメージですが、実はそうではありません。

悪玉菌の中にも、なまけて仕事をしなかったり、食べ物を分解する過程でビタミンの生成を手助けしてくれる菌がいます。

アトピーの赤ちゃんの腸内には、大腸菌がいないという報告もあります。怖い病気のもととされる大腸菌にも、いなければ困るという側面があるのです。

とはいえ、身体に悪影響をおよぼす菌がほとんであるため、腸内には1割程度でとどめておくのがベストといわれています。

残りの7割が日和見菌

日和見菌は、その名のとおり日和見主義のどっちつかずな菌です。

善玉菌と悪玉菌をのぞいた約7割が日和見菌ですが、善玉vs悪玉の攻防を日々眺めていて、その時々で優勢な方に味方をするといった立ち位置です。

最近話題の「痩せ菌(バクテロイデス門の菌)」「デブ菌(ファーミキューテス門の菌)」も、日和見菌のグループに属しています。

腸内細菌のバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7がちょうど良いといわれています。

スポンサーリンク

腸内環境と健康の関係

腸内環境と健康の関係

腸内環境と健康の関係について、具体的な例をあげて説明します。

快適な排便は腸内環境次第

腸内細菌のバランスがちょうどよく保たれていることで、毎日の排便が快適になります。

腸内環境が整っていれば、小腸が身体に必要なものをすべて取り置き、大腸が身体に不要なものをすべてまとめ、直腸が最適なタイミングで排便シグナルを出してくれます。

この一連の作業がうまくいかないと、全身に送られるはずの栄養が不足してしまったり、腸内に老廃物が残って腐敗してしまったり、腐敗便によって腸内バリアが壊されて病原菌が血液中にもれだしたりと、身体全体が負のループにおちいってしまいます。

腸内環境が整っていると病気に強い

腸内細菌が良いバランスで共存し、腸内環境が整っていると、病気にかかりにくくなります。

  • 免疫細胞が活発に働いている
  • 病原体を素早く攻撃する細胞をつくる
  • 病原体が体内に回らないよう予防する

また、腸内細菌は体内酵素(約14万種類)やビタミンをつくる役目もあります。

スムーズな消化活動、疲労回復が常に行われていることも、健康でいられるための秘訣ですよね。

腸には肥満防止に役立つ細菌がいる

腸内には、肥満防止に役立つ「バクテロイデーテス門」に属する細菌がいます。

いわゆる「痩せ菌」と呼ばれる通称バクテロイデスは、腸内で短鎖脂肪酸という有機酸をつくりだします。

短鎖脂肪酸の働き
  • 脂肪の蓄積をストップさせる
  • 全身の代謝を活性化させる
  • 腸管ホルモンの分泌を高めて食欲を抑える

このように、探鎖脂肪酸は身体のあちこちで肥満防止のために活躍してくれます。

フードファイター、いわゆる「大食いタレント」と呼ばれる人たちの腸内フローラは、バクテロイデスとビフィズス菌が占める割合が高く、あわせてなんと7割以上あるといわれています(一般女性は5割弱)。

肌質は腸内環境で決まる?

腸内環境が整っていると、肌に必要な栄養もしっかり送られます。

なぜなら、腸では身体に必要な栄養を各器官に届けるという活動が日々おこなわれているからです。

腸内環境がよくないと脂分や糖分が分解されずに腐敗物となり、腸から全身にもれだしてしまいます。

腐敗物は肌の弱酸性を保つ常在菌を攻撃し、肌荒れを引き起こします。

腸内環境を整えることが老化防止につながる

腸内環境を整えることは、老化防止にもつながります。

腸内フローラが健全であれば、抗酸化作用を持つビタミンやミネラルが効率よく吸収され、肌の老化を防ぐことができるのです。

さらに、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸やポリフェノールなどの成分は、炎症性物質の生成を抑制します。

また、腸内環境が整っていると便秘が解消されることが多く、身体に悪影響を及ぼす老廃物をスムーズに排泄することができます。

腸内環境と自律神経の関係

腸内環境はメンタルヘルスにも深く関わっています。

近年の研究では、腸と脳が密接に連携している「腸脳相関」が注目されています。

腸内細菌が生成する神経伝達物質やホルモンが脳に影響を及ぼし、ストレスや不安、うつ症状の緩和に寄与することが明らかになっています。

特に、セロトニンという幸福ホルモンの約90%が腸内で生成されているため、腸内環境が良好であることは心の健康を保つ上でも非常に重要です。

スポンサーリンク

腸内環境を整える方法

腸内環境を整える3つの方法

腸内環境を整える方法を、毎日できる3つのことに限定して紹介します。

腸内環境を改善する食事内容

身体に良い微生物・菌を摂取することをプロバイオティクス、善玉菌のエサとなって結果的に腸内に良い影響をもたらす食べ物を摂取することをプレバイオティクスといいます。

普段の食事は、この2つのバランスがそろっていることが大事です。

腸には〇〇が良い!という宣伝につられて特定のものを食べ続けたり、お肉は脂肪分が多いからといって我慢したりするのは間違いです。

運動

腸内環境を整えるためには、毎日ある程度身体を動かすのがおすすめです。

なぜなら、小腸は身体の中で浮いているので自由に動けますが、大腸は身体に固定されているため外部から刺激を与える必要があるからです。

大切なのは、日々の生活に負担なく続けられる簡単な運動をすること。特別なことは必要ありません。

地下鉄1駅分を歩いてみたり、エスカレーターやエレベーターを使わず階段を上り下りしたりといった程度で充分です。

腸内環境を改善する生活習慣

健康と美容には早寝早起きが大事!とよく聞きますが、それは正しくありません。

筑波大学睡眠医科学研究機構によると、朝型/夜型体質は遺伝子レベルで決まっているので、無理な早寝早起きはかえって身体に良くないのだそうです。

大事なのは、睡眠時間と入浴時間をしっかり確保し、自分が快適に思えるペースで生活することです。

スポンサーリンク

腸内環境を改善する食事のポイント

腸内環境によい食事のポイントについて、大きく3つに分けて紹介します。

食物繊維と発酵食品をバランスよく摂取する

食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内フローラを健全に保つために欠かせない成分です。

具体的には、野菜、果物、全粒穀物、豆類などが挙げられます。

また、発酵食品には善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌が豊富に含まれており、これらが腸内で増殖することで、悪玉菌の増殖を抑制します。

具体的な例としては、ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、漬物などがあります。

日常的にこれらの食品を取り入れることで、腸内のバランスを良好に保つことができます。

もっとも重要なのはバランスです。偏った食事ではなく、様々な栄養素をバランスよく摂取することで、腸内フローラの多様性を保つことができます。これにより、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが整い、健康な腸内環境が維持されます。

適度な水分摂取が腸内環境を整える

腸内環境を整えるためには、適度な水分摂取も欠かせません。

水分が不足すると便が硬くなり、便秘の原因となります。1日に目安として、2リットルから2.5リットルの水を摂取することを心がけましょう。

特に、朝起きてすぐの一杯の水は、腸を刺激して便通を促す効果があります。

腸内環境を活性化するサプリメント

腸内環境を活性化するサプリメントは、日常の食事だけでは摂りきれない栄養素や善玉菌を補うのに役立ちます。

特に、プロバイオティクスやプレバイオティクスを含むサプリメントは、腸内フローラのバランスを整える効果があります。

プロバイオティクスは、乳酸菌やビフィズス菌などの生きた微生物で、腸内で善玉菌として働きます。

一方、プレバイオティクスは、善玉菌のエサとなる成分で、腸内での善玉菌の増殖をサポートします。

これらのサプリメントを適切に選び、摂取することで、より効果的に腸内環境を整えることができます。

スポンサーリンク

まとめ

人の健康と美容に、腸内環境は大きくかかわっています。

腸内環境が整っていると心身の調子がよくなり、健康でポジティブな毎日を過ごすことができるでしょう。

一方、腸内環境が悪いと便秘が続いたり、そのせいで体調が悪くなったり深刻な病気を引き起こしたりしてしまいます。

腸内環境を整えることは、決して難しいことではありません。

栄養バランスが整った食事、適度な運動と睡眠、そしてできるだけストレスをためないことが大切です。

タイトルとURLをコピーしました